宮崎駿『On Your Mark』を観て、岡田斗司夫の解釈を聞いた感想を綴る。

映画

 私は普段ほとんどYouTubeを見ない人間なのですが、岡田斗司夫氏の動画だけは時々見ることがあります。一番最初に見た動画は確か『もののけ姫』のもので、もののけ姫とアシタカが二人で寝る岩の洞穴のような場所の解説に魅了されたことをよく覚えています。

そこで今回岡田斗司夫氏がお正月キャンペーンのような形でこの『On Your Mark』の有料版の方も出してくださっているということだったので、この映像を入手し、鑑賞して彼の解釈を聞いてみることにしました。

この『On Your Mark』はチャゲアスの楽曲に合わせて作られた六分ほどのPVのようなものであります。

私が初めに受けた印象は、「これは、チャゲアスに本当にOKを貰えたのだろうか」ということでした。

それほどに奇抜であり、露骨にバッドエンドであったからです。救いようがないほど露骨だなと、私は一度見た段階からそう思いました。

最初のサビで流れる映像(羽のついた女の子をチャゲアスが放とうとしているところ)は幻想だろうとすぐにわかり、ラストシーンの二人の乗った車が道をそれて草の上で停車し、それをわざと詳しく写さないためにカメラを引いていく演出はバッドエンドの象徴であるということだけはわかりました。

だからこそ、少し希望の光をちらつかせるこの楽曲の方針に合っていないのではないかと思ったのです。

そんなところまでライトに作品を味わったところで岡田斗司夫氏の解説を廻始めました。普段は自分で解決していくタイプなのですが、今回ばかりはジブリに対する知識が私にないということもあり、彼の解釈を始めから聞くことにしました。

するとその中で一つ言えることが見つかりました。

絵の演出、見せかたで表現している部分は非常に考えられていて(あるいはセンスがあって)やはり感激させられるけれど、六分に収めなくてはならないという事情もあってか非常に露骨な表現も含んでいたということです。

原子力マークが散りばめられていたり、言葉の書かれた標識で認識合わせをしようとしたり。

それは当時の宮崎駿自身の中にあった葛藤と時間の関係と、ナウシカの連載が終わった解放感と色々なものに引っ張られて必然的に出来上がった形なのではないかと思うわけです。

そういう意味でも不思議な、彼らしからぬところも少々含んだ映像とも言えるかもしれませんね。

それでは、ひとまず今回はこんなところで。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました