何かを好むことについて

雑記

 ある特定の作家、ミュージシャン、芸能人などを好ましく思う。

それはどういうことなのだろう。

私もよくあることで、「好きな歌手」と公言している方の新たなCDが出たら買わなくてはならないような気がする。「好きな作家」の本はつまらないと言ってはいけないような気がする。

それはきっと彼らを否定すること(ないしは全肯定しないこと)が間違っているように感じられるからでしょう。

本来は数ある作品やモノから好きなものを選びとり、それをプレイリストのようにまとめて自分の近くに留めておく。これが重要なことなのではないかと思うのです。

しかし実際にはそうではないのだろうと思います。それは、我々は必ずしも誰かとのつながりのもと生きているし、世の中のあらゆるものにはシリーズ(あるいは括りのようなもの)があって、そこに誠実で純粋であることが素晴らしいことのように思える価値観を植え付けられています。

しかし本来は、宗教の発展において欠かせないのがシンクレティズムであると言われているように、人間の文化だってシンクレティズムに発展していくべきで、それが認められるべきだとも思うのです。

シンクレティズムは複合することを指すので、その逆であるある意味においての純粋さを持った文化の方が神聖視され素晴らしいものだと思う人々が多いのです。

つまり他を受け付けない内向性と、自らが持っているものだけを大事にしようとする忠誠心と誠実さ、真の思いというものが混ざり合い、そして重なり合う。

そうした風潮の中、何かを好きになったら一本線であらなくてはならないような気がする。

もっとフラットに、あるべきものをあるように見つめ、自分の価値観を当てはめていくことが本当に世界を楽しむことへの第一歩なのだと思う。

何かを好むことへの絶対性が少なくとも自分の中でなくなっていくと良いと、音楽を聴き本を読んでその後のティータイムを楽しみながら思う。

コメント