「from四階の角部屋」歌詞解釈!憂いの奥の本当の意味とは

『from四階の角部屋』イメージ画像歌詞解釈

 じめっとした部屋で感慨にふける様子が目に浮かぶ……。_:(´ཀ`」 ∠):

 この曲は、「瞬間的シックスセンス」というアルバムに入っている曲で、最も短い曲であるとあいみょんさん自身がおっしゃっていました!私は、曲が短いからこそいろいろな思いが詰まっているのだろうなと勝手ながら思っております……。

 最後の最後まで今を憂うような歌詞でありますが、よくみてみると自分につながるメッセージや、工夫された曲のつくりがなされています。
 時々出てくる数字や、何度も出てくるフレーズに着目してみると見えてくるものがあると思います。

 また、私はこの曲の主体の憂いの根源的なところは、今の自分の境遇にあると考えます。それは好きな人がセックスフレンドである、ということなのではないかと思います。しかし、この曲の凄いところはそんな関係を持っていない人にも何か伝わる、次に進むための力になる、そんなところがあるというところなのです。

 その詳しい見解は、解釈にてご紹介するとしましょう!
 まずは、この曲の作者、あいみょんさんについてみていこうと思います。

〜平成の素晴らしきミュージシャン、あいみょん〜

〈基本情報〉

 ・1995年兵庫県生まれ

 ・2016年「生きていたんだよな」でメジャーデビュー

 2018年にリリースされた「マリーゴールド」は若い世代を中心に大ヒット!十代二十代の方で歌えない方はいないのではないかというほどの旋風を巻き起こしました。またこの「マリーゴールド」は紅白歌合戦でも披露されていましたね。

〜解釈〜

※著作権の事情により歌詞を載せておりませんので、ご自身でご用意されるか、解釈のみでお楽しみください!( ´ ▽ ` )

 四階の角部屋は自分の部屋でしょう。なんだか曲調を聞いて歌詞を見ると、いかにもジメジメした少し散らかり気味のお部屋が想起されました。

 ここで言われる、特にここのブロックで出てくる数字には意味を含むものもあるのではないかと考えました。

 5(回の後悔)ー3(回のため息)=2(回の失敗)

 5(回の後悔)+3(回のため息)+2(回の失敗)=10(回の涙)

 五回後悔したものの、ため息として吐き出し、ため息をついてしまったと自分のしたことを悔い改め次の力にしようとすることができなかった二回は失敗した。後悔をした事柄、そこに結局は自分がため息をついてしまったこと、心を入れ替えたはずなのに挙句二回失敗したこと、その全てに付随した涙が十回とされています。

 ここにまさしく負のスパイラルが完成されているのが分かりますね。自分の部屋で一人になり、自分の人生、今の恋、異性関係を後悔、ため息、そこから発生した失敗、涙を四階の角部屋で抱え込む様子が描かれます。

 そんな十回の涙を拭いて、過去を振り返り、今を思い返し、もう戻れないことがわかるわけです。今の自分をタイムスリップさせてやり直すことなんかできないですよね。しかしここでこの歌の主体は死を選ぶことなく、自らの生きるすべ、自分をたて直そうと試みています。

 自分を瞞着して生きようとしているのです。「これしかなかった」「こうするしかなかった」「こんな関係でも出会わないより良かったかも」そういう思い込みを自らにさせて今に納得しようとしているということが「言い聞かせましょう」という言葉の繰り返しから見て取れます。

 そうしないと生きていけないからです。そして今の自分に納得できたら良いわけでもないのです。未来にも希望を持てない(こんなんだしの部分)ため、「常に」とこの先のことも想定した表現になっていたのだと考えられます。

 

 そしてこの先は冒頭に書いた、セックスフレンドという関係をこの人物と作り上げてしまったことが言われているのではないでしょうか。「この人物と」と書いたのは、その人物のことがもし好きであった場合、その人とそれ以上でも以下でもない関係を結ぶのは耐え難いものではないですか?そのような感情が現れているのだろうと思います。

 また、この「始まった時から」がどう繋がるのか、したに詳しく考察したものを書いてみました。

 一回目の「始まった」は恋であると思います。初めはこの相手に恋をしているというわけではなかったのに、体の関係を持って好意を抱いてしまったという可能性もありますよね。きっとその恋心を抱いたのはベットの中で、もうそこでは純粋な恋も愛も抱ける状況じゃなかった、ということであると思われます。

 二回目の「始まった」は関係の開始です。セックスフレンドなんてものになって良いのか(倫理的な意味で)、もう後戻りできないんじゃないか、好きになってしまったらどうしよう、などという思いが伝わります。

 三回目の「始まった」は恋だと思われますが、特に「関係と恋」が同時に合わさってしまったその時ということであると思う。その時からすでに、冒頭の「後悔、ため息、失敗」が積み重なり、「涙」につながっています。

 技巧や工夫が凝らされながら切実な思いが歌われているのが分かりますね。

 ここから曲の雰囲気がまた変わってきます。

 ここではその部屋での彼とのセックスの回数が思い返されているのでしょう。その回想だと思われます。「されど」から「その一回」が大切であったことが読み取れます。好きになってからの初めての肉体関係だったのかもしれません。

 「クソ野郎の馬鹿野郎の手の中」は、この主体の恋心なんて知らない彼のことでしょう。fromは単に「~から」という意味だけでなく、「~から離れて」と使うこともあるのでこれはその意味で使われているという可能性もあります。そんな彼の手の中から離れて「少しだけ触れる」とは心に触れるということなのではないかと思います。

 「手」は実感として感覚を得る、身体的な繋がりの象徴。だからそこからは離れたかった。そして代わりに「心」に少しでも触れて、さらなる関係を結びたいということであると取れます。

  そしてここでまた「始まった時から」の部分に入っていきます。

 序盤に述べたとおりの解釈で良いと思います。すごくマイナスな過去の振り返り方を歌の中で何度もしているところから、今まさに後ろ向きになっているのだという様子がわかります。負のスパイラルから不幸の渦に入ってしまうわけです。

 

 ここから曲調も少々盛り上がり気味になります。「どうせ最後には」というフレーズを皮切りに、気持ちが溢れ出しますね。

 セックスフレンドという関係ですから、いつそれが解消になり、捨てられるかわかりません。自分は恋心を持っていますから自分からこの関係をやめることはない。とすると関係の終わりのタイミングは彼が握っているということになりますよね。

 そうなれば自分が「腐って 臭くて」と状態が悪くなっていく。それに、捨てられるということは他人によって自分の価値を定められた。しかも低いと定められたことになります。それは如何にしても苦しいことでしょう。

 そうなれば自分はひどく気落ちし、悲しい思いに浸ることになりかねない。そこで「ちょっとまって」と、自分を地の底に落とした彼がまた声をかけて関係を戻したいと持ちかけたら?という想定がなされています。

 本当は殴って蹴ってそんなものにすがるような惨めな女ではないと言いたいところだったのでしょうが、結局心身ともに状態が悪くなった主体はそこにすがって、苦しみも憎しみも忘れたふりで、またセックスをする羽目になるということが言われているのだと思います。忘れたふりでもしないと、自分自身がもたなくなってしまうからです。

 

 

 序盤からしばしば登場する「始まった時から」という言葉がこの三行ではくりかえされています。やはりこの短い曲の中で三度も同じフレーズが出てきて、その都度悲しみの底で腐りかけた心身を有しながら横たわる主体を見ているような気持ちにさせるというのはなかなかの工夫であり特徴であるとも思います。

 ここでいう「始まり」は初めの三行の三番目の「始まり」と同じ意味、特に「関係と恋」が同時に合わさってしまったその時ということではないかと思います。また、体の関係をはじめてしまえば、それ以外のつながりができなくなる。セックスなしのデートなんかできなくなる、そういう後戻りのできなさも感じたと思います。

 しかしそのことはもう初めからわかっている、もうそれではいけないこと、納得しきれないこともわかっているうえでやめられないし後にも引けない。そういった自分のプライドの高さとそこに嫌気をさす自分自身、その双方が描かれたフレーズなだと思われます。

 

 そして最後にまた数字を使った巧みな表現でこの曲を締め括ります。

 今までの歌詞の中で語られてきた自身の状態を悲観してやっぱりそこに行き着くということだろうと思われます。もう言動であれ関係の進め方であれこれ以上の失敗を犯したくない、その一心なのだろうと思います。それを自室であるじめじめした四階の角部屋で思いながらまた現実の非情な渦に飲み込まれていく、その様子が歌われているように、私には思えました

〈まとめ〉

 このような肉体関係は結んでない、という人でも人生に何かしら響くところがあるのではないかと思うような歌でした。一度選択してしまうと、その後の人生はその選択を前提にされたものになる。それを意識して、ふと悲しくなったり当てもない後悔に苛まれたりするわけです。しかし、その中で考える言い訳や自分への瞞着は「生きよう」としている証であって、また失敗しないように生きようとしているわけです。私はそれだけで価値あることであると思います。

 私はこの曲を聴いてそんなふうに思うことができ、前を向こうと思ました。誰しも、人生に後悔の一つや二つあるものですからね。

 この曲は特にリズミカルでおしゃれで簡潔でありながら込められた気持ちの重さが伝わる音楽ですよね!何か後悔や失敗が相次いだときに、聴いてみると良いかもしれません。新しい視点から今の状況が見えるかもしれませんよ(⌒▽⌒)

 では、ここまでお付き合いくださりありがとうございました( ´ ▽ ` )/

 また、あいみょんさんの楽曲では、「今夜このまま」「マリーゴールド」「さよならの今日に」「裸の心」などの歌詞解釈もしております!そちらもぜひチェックしてみてください♪(´ε` )

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