夏休みの旅行を嫌った小学生だったころ。

プロフィール

 小学生の時、それは半ば病的に家族や親戚と出かけるのが好ましくなかったように思います。

中学生の時もそうだったと思います。それはおそらく私がひとりっ子でその上従兄弟もいない人間だったからでしょう。

しかし話す相手に困ることはありませんでした。大人同士でしたい話があっても私に皆気を使うからです。

私にとってはそれこそが負担でした。皆私を姫か何かのように扱う。話を合わせようとするし私にだけ浴衣やドレスを着せる。

「大切に育てられたんだね。」

人は結構そう言う。しかしこういう境遇になってみないとわからないものです。注目されることは疲れる。一人で遊んだり本を読んだりする方がよっぽど楽だったのです。

思えばその頃から人が苦手だったのでしょうね。中学や高校では見つけられずに迷走したのでしょう。

そして今また自分の原点を見つけ戻ってきた。本来の自己を取り戻し進むべき方向をみているのです。

中学時代までは夏休みになると旅行や遠出を親戚と一緒にしていたように思いますが、いつもそういう悶々とした気持ちを抱えていて、苦しく辛かったように思います。それは言語化していなかっただけで、「ひとりになりたい」という心の叫びだったのでしょう。

高校生になると勉強などで忙しくなり旅行にも行かなくなりましたが、たまに会うと私のことはもう大人として扱ってくれるので簡単に一人にしてもらえますし、皆気を使いすぎることもないので楽しいです。

そんな記憶があるからでしょうか。あまり私は(そもそも子どもと話すことなどごくたまにですが)子どもと関わるときに何か気を配りすぎることはしません。

人は意思を持っていればそれだけで人たらしめるのだという考え方が私の根本に根付いているからでしょう。

だからこそ夏のあの旅行は、今の歳になってやっとまた行きたいと思えています。

今行くことができたら夏をもっともっと楽しめるだろうなと、今パソコンの前でしみじみ思う。

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