秋の匂いがする。

雑記

 秋の匂いがどこからともなく流れてくる。

なんとなくいつも秋の匂いだとわかるけれど何の匂いなのだろう?草木の匂い、それを流れとする風の匂い。実体を持たないけれど、なんとなく毎年まったく同じような匂いがする。

なぜか夏と冬はしないのです。春と秋にだけわかります。ある日突然、どこからか季節の香りが流れてくるのです。

その匂いを嗅いで、肌寒い風を感じるとこの季節をこのままとっておきたくなる。

おそらくそれは私が春の初めと秋の初めに色々なものを感じ取れる人間だからなのでしょう。

この時期に自分が自分を知ることができ、自分の一番良い状態を感じることができるから。つまり季節そのものを感じているようでもあり、私を感じているというようなものとも取れるわけです。

そもそも私という人間が強い人間で、どのような状況でも何かしらを感じとることができる人間であれば、わざわざ季節の匂いに頼ることもないのでしょうが、そうも行かないのが難しいところです。

不完全な情緒人間だというわけです。

完全生を帯びていないけれど、かなり情緒を大事にしているからかろうじてこう文化人的な生を保っていられるというわけです。

つまり人間というのは自分の中で少しでも突出したものを見つけさえすれば、思い込みと情熱によってそれを本物の武器にすることができるものなのかもしれないということが言えるわけです。

私は私という人間に常に何かを感じ取れるような人間であってほしいと思うし、そうして自分の力で色々なものを無理にでも感じ取りたいとも思っている。

そしてもう一つ。

それらを材料にして絵や文章といった形で何かを創造したいとも思っている。

そして自分にはそれができると、どこかで思ってもいるのでしょう。だからこそ実際には秋と春にしか季節を心の底から感じることはできないけれど、他の部分の思い込みと熱意でどうにか創作をするというところまでは漕ぎ着けているわけです。

きっとそれには一定の意味がある、とこのことを考えると思えてきます。

ひとまず今回はこんなところで。秋を感じられるうちに秋をたくさん感じておこうと思います。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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