言いたいことが、うまく言えたら

　お正月。多くの人は実家に帰ると思いますが、好きで帰っているのかな。それとも帰らなくちゃいけないから、帰りたくないけど帰るのかな。
私はどっちかわかりません。

猫がいるから帰りたいような気もするし、実際に実家から帰るときは寂しい気もする。でも、いざ今の家から実家に帰ろうとするとめんどくさくて、それまた寂しい。

自分の気持ちはいつもゆらゆら揺れていて、どっちつかずで、それを判断するにはあまりにあまりに自分の気持ちが柔らかいから、どうしてもいろんなものが遠のいていくようなそんな気持ちになります。

そんなお正月、祖父母の家にも行きました。
腰が重いなと思いつつも祖父母の家に向かうと、着くなり祖母が怒り始めました。私の髪の毛が下の写真の髪型だったからです……。

本当に帰ってしまいたいような気持ちでしたが、私は言葉がうまく出てきませんでした。結局何も言えず、惨めに「あぁ、ごめん」と謝っているだけなのでした。

でも今のこの髪型は、どんどんひどくなる私の不安への慰めでもあって、鏡を見ればいつでも「私は私の意志で生きているんだ」と思える大事なものなのでした。

そのあとは何とか私の謝罪により空気が良くなりましたが、その中でもちらほら将来の話が顔を出し、就職はどうするんだ、大学院に行きなさい、今のバイトはやめなさい、そうした話が続きました。私はやっぱり謝ることしかできませんでした。

もっと言いたいことを言って、飛び出してしまうような輝く強さ、意志、それがあればいいのにと思いました。多分いつも自信がなくて、何も言えずに黙って頭を下げる。一番なりたくない大人になっていたのでした。

ひどくなる不安障害についていけない昔の自分がただ話す事を諦め、自分の中に黙って閉じこもっていく。

言いたいことがうまく言えたらいいのにな。

清々しく、まっすぐで、かがやくような言葉がすぐに思いついて、それを話せたら。

いつかそうなりたい、そう思いながら、私はまた薄暗い未来に進んでる。