寒空にはやっぱり変わらぬ寂しさを求めて。

雑記

 最近冬が近くなって北風が吹き、そこらじゅうに物憂げな葉っぱの死骸が転がり、街は妙に暖かげな色に染まって、なんとも言えず良い季節感が街を染め始めました。

私はこういう寒い季節がとても好きです。思考はクリアになり、そしてなんといっても、こういう季節には寂しさが充満していること。

正確にはそれは冬に幸福が満ち溢れているが故の寂しさであり、それは他の季節には絶対にない類の素敵な感情の波でそしてグラデーションなのです。

私はそんな冬になると、よく外に出るようになります。そういう時には一人の方が好きです。

キラキラと輝く街路樹を眺め、寒い中マフラーを巻いてホットコーヒーを両手で持つ私が、本当に寂しくて寂しくて、思考がクリアになるのがわかるのです。

その状態の私は心からこの世界を好意的に見ることができて、そして全ての物事や感情の動きの美しさとそれゆえの憎さを正しく認識できるような気がするのです。

私はきっと寂しさが好きでそれゆえその寂しさを描くことと感じることに力を注ぎたいと思っているから、だからこそ冬が好きだし、冬の輝きを一人で感じることに意義を見出しているのだと思います。

忙しない日々だけど、私がちゃんと私でいるために、冬の風を浴びて冬の寂しさを噛み締めて、冬の暖かさを傍観してコーヒーを啜り、そうやってこの冬も穏やかに生きていきたいと思いました。

良い冬がなるべく長く続いたらいいな。

この記事を読んでくださっている方に素敵な冬素敵なクリスマスが訪れますように。

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