車の中でかかる音楽。サザンオールスターズのアルバムでした。
どれを聴いても目を閉じれば昼、夕方、夜それぞれの海がそこに広がるような心地がしました。別に南国調とかではないのにどうしてこれほどまでに海が表現できるのか。
いかにしても不思議なうえに、この胸の鼓動を高めるような切なげで情熱的なメロディラインは何なのかとも思いました。
海の近くをドライブしたり、サンセットビーチでサザンをかけながらドリンクでも飲みたいような気分になる。
中でも今になって、好きだなあと思うのは「栞のテーマ」でした。
サザンの中でも落ち着いた印象の曲は全般は好きなのですが、特にこれはメロディラインが好きなのです。
「ね、どうしてなのなぜに泣けるの」
ここが大好きです。夏終わりの静まった夕暮れの海岸に一人で立ち、夏の恋を思い返し夏に耽りたい気分になります。
胸が高まり、そんな青春を過ごしたかったというような、海と夏への憧れが募るのです。
それは少しだけ、少しだけですが「風の歌を聴け」の海でビールを飲むシーンを読んで込み上げてくる思いと似ています。
栞のテーマを聞いていたら、きっと夏という季節は、表現するとこのようにどこか儚げでエモーショナルな雰囲気が出るものだからこそ暑くて苦しくても多くの人に好まれ、表現され、合理を追求する社会の流れへのアンチテーゼを唱える重要なものになっているのだろうなと思えました。
海は私にとってそう簡単に行ける場所でもないので、この夏はサザンでも聴きながら夏らしいものを食べたり飲んだりして夏らしさを感じたいと思います。
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