社会不適合者としての礎

プロフィール

 今回は、私の幼少期の話をしたいと思います。

 あなたはどんな子どもでしたか?優しい子、やんちゃな子、賢い子。色々いると思います。みんな一定の範囲内で個性を持っています。素敵な時代です。

 私はというと、あの頃から社会不適合者だったような気がします。それでももちろん皆と同じ感性を持つところもちゃんとありましたが。(笑)

私は一人っ子として特別裕福でも、貧乏でもない家に生まれました。父親はまったくの常識人で真面目でした。見かけは温厚そうでありましたが、一度怒ると人相が変わる人で、何を考えているのかはっきりしないところがありました。

その意味で少し恐ろしいですが、概ね真面目で優しい父親です。

母親はというと正反対と言っても良い性格の持ち主でした。表裏のない、少々ナイーブな心持った、信用できる人物です。

父はいつも仕事だったので、私はほとんど母に育てられました。彼女は私のことをあまり叱ることはありませんでした。個の尊重の意識でしょう。彼女はある意味時代の先をいっていました。(笑)

そんな母が私を叱ったことといえば、今思い出せるのは次のことくらいです。何だと思いますか。

私が幼稚園で蟻を踏み潰したことです。そのことは今でも反省しています。

しかし、その時の一件がなければ私は他の場面で蟻を殺していたとしてもそれを大して反省もせずに生きていたかもしれないのですから、不思議な話です。

 私はそんな幼稚園時代、かなりまともな日常を歩んでいました。

まず起床し支度をすると、幼稚園に向かいます。そして一通り授業や活動に真剣に取り組み、帰宅。

すると帰るなり母と散歩に行きます。近くの神社までです。秋になるとどんぐりを拾ったりもしました。

そして散歩から戻ると、二人で「ティータイム」です。子どもには、こういう言葉を使わねばならないタイミングが少なからずあるようです。(私がおかしかったとも言えるかもしれませんが……)子どもは割と言葉に敏感で、何かをしたくないと言い出す俗にいうイヤイヤ期に到達した時、格好の良い言葉で対象物や行為を言い換えてあげると、よくいうことを聞くようになるとどこかで聞いたことがあります。長靴ではなくレインブーツと置き換えてあげるとか……ですかね。(笑)

ティータイムが終わるとそれぞれの時間です。母は家事、私はピアノや人形遊びをしていました。

この人形遊びは非常に重要でした。これがあっての私の個性だと思っています。自分で物語や設定をつくって遊ぶというものです。兄弟がいなかったので誰かに頼ることはできません。ですから自分で何かを作り出す力は、あの時確かについたはずなのです。

そして時間になると夕飯が出てきます。その後入浴し、就寝前に絵本を読んでもらって寝るという流れです。

今のこの昼夜逆転した生活からは考えられない規則正しさです。(笑)

ちなみにこの読み聞かせから、私は本が好きになりました。私はその頃から物語を書くようになり、詩も書くようになりました。

幼児の時の生活はある程度後々に関わるのですね。もちろん、後天的に身につけたものもたくさんありますが。

ここまで読んでくださったあなた、この記事のタイトル確認したが、全く「社会不適合者」ではないのではないか、と思っておりませんか。

 不適合者エピソードはここからなのです。

 そんな規則正しく平穏な生活を送る最中、私の母の元に幼稚園から電話が来たそうです。

「娘さんが縄跳びを跳んでくれません!」

 ……。

 母は大層困惑したことでしょう。そこでそんな私を何とかしてほしいと言われた母は、私と話をすることに。

「どうして縄跳びをしないの?」

何と答えたと思いますか。私はこの話を聞いた時、中学生くらいだったのでもうこの時のことは覚えていませんでしたが、かなり自分としては納得のいく「縄を飛ばない理由」でした。(笑)

「そんなことをしなくちゃいけない理由がわからないから。」

確かに、私は今でもそういう人間です。辛うじて私を雑多な作業に向かわせているのは、「いつか小説やブログに使えるかもしれないから」という心持ちです。こう考えなければ一見無意味そうなことに向かおうと思えないのです。

ですからこれはある種の自分への慰めなのです。

そして幼稚園生の私がようやく母の説得に応じ、何とか縄跳びを跳ぶようになると、またしばらくして電話がかかってきます。今回は小学校のことであったような気もしますが……。

「娘さんが鉄棒をしてくれません!」

……。

 もう母は諦めました。今回鉄棒を回ったとして、結局こういう人間なのだ。

 そして私は今でもそういう人間です。生半可な理由では動けないのです。

 つまり今も昔も空気の読めない社会不適合者であるわけです。そういう人は社会に縛られていてはいけません。そのような人は他の人よりもずっとずっと呻吟に喘ぐような状況になりやすいからです。

 ですから頑張りましょう。

 自分を受け入れて文章を書いたり絵を描いたり本を読んだりしていきます。

 ひとときひとときを自分の好きなように創造していけるなら、それで良いのです。

 それでは今回はこの辺で♪( ´▽`)

お付き合いいただき、ありがとうございました!

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