映画「魔女の宅急便」を観て絶望的な気分になる。

映画

 先日、ジブリ映画「魔女の宅急便」を観たのですが、これを観終わって私は思わず泣きました。

つらくて、悲しくて、消失感が詰まっていて、そしてそれを自然な流れであり正しいものであるという肯定している説教臭さ。

それらにどうしても耐えられませんでした。

この記事ではまず私がこれを観た印象や感想を書き、次の見出しでそのうえで岡田斗司夫さんの動画を見たのでそれを踏まえた感想を書いていきたいと思います。

1、救いようのない悲しさを孕む魔女の宅急便

 私はこの作品を観て、まず救いがないな、と思いました。

まず冒頭部分、キキが夜空を飛んでいくシーン。あえて煙を吹く機関車のようなものが通って行ったり飛行機が通って行ったりと、初めからキキの時代遅れ感といいますか社会に対しそのアイデンティティを主張できないその暗示をしてくるあたり、もう初めから悲しみしかないのです。

その後街に着いてからも人々に受け入れられないキキというのも、文章を書いて生きていきたいと思いながらも現代社会のシステムのあり方を視野に入れざるを得ない自分をみているようで心が痛みました。

私はそうした順応を怖がり、自分の中で世界を完結させることができるようにするために文章を書いている節もあるのです。まるで映画にも出てきた画家の女の子のような感じですね。

しかしそれは無理な話で間違っていることだ、とそう言われたような気がするのです。

さらに素敵でポップな音楽の印象も相まって、社会や時代の流れに対し(キキが空飛ぶ魔法を宅配に使って生きていくことしかできなかったように)自分の持っているもの順応させていき、大切なものを失いつつもそこでの立ち位置を見つけながら誰かと生きていくことがいかにも「正しいこと」であり「ハッピーエンドへ向かう道」なのだということが言われているようで説教臭く、胸のあたりがすっきりしないような気分になりました。

そしてジジ。あんな悲しい自立の物語は、私には作れません……。私は悲しみの描き方が芸術家として最も重要な観点だと思っていますが、この「魔女の宅急便」はべらぼうに悲しいだけで、ただ救いがないように思えてしまいました。

2、岡田斗司夫氏解釈を聞いて腑に落ちた違和感と絶望感

 先程の見出しの部分で述べたような印象を持ち、悲しんでいるところに、岡田斗司夫氏がこのGW期間に「魔女の宅急便」解釈の動画を無料公開しているという情報が入ったので観てみることにしました。

結論から言うとこの解釈はとても素晴らしく、特にジジが最後のシーンで話せない理由に関して、ジジがまさにキキの自意識であったからという論は非常に説得力がありました。

私は色々な悲しい順応を経て、キキが違うフィールドで生き始めたからジジとは運命共同体ではなく別々の道を歩む相棒のような存在になったから話せるほどのリンク率は無くなってしまったのではないかと予想したのですが、確かにジジを自意識として仕舞えば一番収まりがいいですね。

そしてもうひとつ。私がこの作品を観ていて、なんだかとても悲しいのだけれどその悲しさをうまく言い表しきれないといいますか、あるところまでは説明がつくのだけれど自分の中でも言語化できていない何かが引っかかっているようなところがありました。

しかしこれがこの岡田斗司夫氏解釈で分かったのです。

ジジが白猫と仲良くなって話している時、キキがちょうど出かけようとしているシーン。キキはジジに「すぐそこだから来なくてもいいよ」と言ってあげます。ここからキキが笑顔を崩さずに前を向き、そのままトンボのところに届け物をしにいきます。

もうこの時点で、風邪をひいた時といい今回といい、だんだん社会の中で想いを表明できなくなっていくキキがどうしようもなく切ないのですが、この後がさらに切ない。

トンボと自転車に乗って二人で楽しい時間を過ごすけれど、そのあと飛行艇の中を見にいくと言ってたくさんのトンボの友達が来ます。

そこでトンボはキキに「一緒に行こうよ」と言うのだけれど、キキは怒って「帰る!」と言ってしまう。

私はこの一連の流れを無性に悲しいと思ったのです。ジジが自分の元から去り、トンボに希望を持ったもののトンボにも社会があったと自覚したそのやるせなさ。誰も自分のために留まっていてはくれないことを知る切なさ。

そのうえそれを肯定するようなサウンドと絵の美しさがグサグサと心を刺してくるわけですね。

サイコパスにすら見えてきます……。

動画の中で紹介された女性のコメントに「この映画を観ていると長い説教をされているように感じる」というものがありましたが、その気持ちも大いにわかりますね……。このキキの気持ちの揺れはどうにもならないものとして描かれていて、そのキキに変化を強いているような流れになっているわけですから。

魔女宅の悪口を書きまくってすみませんでした

 ここまで色々と私の見解や感想を述べてきましたが、全てネガティブシンキングな悪口となってしまい申し訳ありませんでした……。

こういう世間で人気のほんわか系アニメは私には絶望的にうつってしまうようです。(笑)

私はジブリの中ではやっぱり「風立ちぬ」が一番好きなです。下にその感想記事のリンクを貼っておくので気が向いた方はぜひ読んでみてください♪

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

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