大好きなナイトメア・ビフォア・クリスマスを数年ぶりに観て思うこと。

映画

 幼稚園生だった頃、何度観たかわからないくらい観ていた『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』。

この映画は、ディズニーのシリーズですが、人形のようなキャラクターたちが動くことでストーリーが展開していくものでありまして、それが、なんとも言えずアナログな感じで素敵なのです。

主人公のジャックがいる国は年中ハロウィンのような街で、悲しく寂れた空気が漂う街です。ストリートミュージシャンのようなものたちは短調の音楽を奏で、管理されていない墓地には枯れた雑草やくり抜かれたカボチャがたくさん置いてある。

この雰囲気がとっても好きで……。

当時はあまりストーリーは追わず、ただただその雰囲気に酔いしれていて、その物語を見れば別の世界に行けるような気がしていたのです。

行事のことだけを考えていてあまりにも自由なこのハロウィンタウンの連中が羨ましかったのでしょう。

そう考えると私はあの頃から社会というものに絶望していたのかな。

そんなナイトメア・ビフォア・クリスマスですが、私は最近この映画を観てその素晴らしさになおさら気がついたのです。一番好きな映画かも……。

まず、映像作品として上等すぎる。

デジタルを感じさせないアナログ感。心という意味のリアリティをあえて人形劇風のぎこちない演出で表現するというところ。

また、優しく純粋すぎるメッセージを美しく綺麗にコーティングするために使われる歌と厳選されたセリフ。

これらがちゃんとあるのです。

例えば、サリーがジャックを思って花占いをするとき、サリーは何も言わない。何も言わずに花だけが変化するのです。

これは素敵なシーンです。

また、全体を通して言われているメッセージには、多分異文化をどう受け入れるか、などといったことも含まれているのでしょうがそれ以上に映画内には素敵なもっとこう細やかなメッセージがあります。

それは「自分を大事にする」ということであると思います。

あるいは観る人によっては「自分が何かしらの役割を与えられていることは成り行きなのではなくある種目的があっての結果なのだ」と思える要因ともなるのだろうと思うのです。

要するに、私の今に意味を感じることができるわけです。

そして、映画のキャラクターたちのような行事や周りの人たちに一生懸命さを感じて純粋さを思い出すことができる。

花占いや最後の月の前で愛の歌を歌う場面でラブロマンスを体感できる。

観ればそんなことができる素晴らしい映画であるのです。

観ていらっしゃらない方は、寒く人肌恋しいクリスマスの前のこの時期のぜひ観てみてください。

それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

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